Ensemble Workshop by ASATO-PAIS

楽器奏者のためのアンサンブル・ワークショップ

桜タンゴフェスティバル 10回目の開催を記念した特別企画として、バンドネオン奏者 川波 幸恵さんの協力のもと、タンゴデュオ Asato-Pais (ピアニスト クリスティアン・アサトとバンドネオン奏者 アジェレン・パイス) による楽器奏者のためのワークショップの開催を予定しています。

次回の開催で10回目と言う節目の年を迎える桜タンゴフェスティバルは、スタート当初からタンゴダンスの「踊られるタンゴ、ミロンガ、人々がダンスを通じてつながる社交の場、このダンスだからこそ生まれる、驚くべき唯一無二のコミュニケーション。」という面に特別注目してきました。
10回目の開催を迎えるにあたり、これからは「音楽」にも注目し、特にこのジャンルの音楽を演奏したいと考えるミュージシャンとのつながりを模索していきたいと考えています。
次回、ゲストとしての長年にわたり教育者としての豊富な経験を持ち、世界各地でミュージシャン向けのワークショップを開催しているタンゴデュオ Asato-Paisを迎える機会を活かし、音楽を通じた新たな交流の場を作りたいと考えています。楽器演奏を楽しむ人々にも、桜タンゴフェスティバルの枠組みの中でつながる機会を提供していきたいと願っております。


楽器奏者のためのアンサンブル・ワークショップ

他の音楽ジャンルの楽器奏者でタンゴに興味がある方や、タンゴの知識を深めたいタンゴミュージシャンを対象です。
ワークショップでは、アンサンブルで演奏するために必要なスキルが提供されます。
さまざまなアレンジを実際に練習することで、受講生はタンゴの基本的なスタイルや解釈の概念を身につけることができます。

対象楽器

ピアノ、バンドネオン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス
(その他の楽器についてはお問い合わせください)

参加条件

受講者のレベルに応じて楽曲を調整し、事前に楽譜をお送りしますので、ワークショップ前に予習が可能です。
楽器の中級レベルのスキルと楽譜の読解能力が必要です。
初回の受講が必須です。

使用言語

スペイン語または英語 (日本語の通訳あり)


ワークショップに参加された方には、4月6日 (日) 西鉄ホール で行われる AsatoPais のコンサートにおいて、オープニングアクトとして出演する機会 をご用意しました。
ワークショップ開催にあたり、参加をご検討の皆さまのご意見をお伺いしたく、簡単なアンケートを作成しました。

アンケートの回答締め切りは12/20 (金) を予定しております。アンケートの回答を参考に、具体的な開催日・時間などを決定したいと思っておりますので、皆さまのご協力をよろしくお願いいたします。


ASATO PAÍS

現在のアルゼンチンおよび世界のタンゴシーンにおいて掛けがえのない存在となっているアサト・パイス。アジェレン(バンドネオン)とクリスティアン(ピアノ)によるデュオ編成で、伝統的で踊れるタンゴから、ピアソラの音楽を独自に解釈したもの、さらには現代音楽の作品まで、タンゴのさまざまな側面をカバーしている。YouTubeでのコミカルで小気味よいリズムレクチャー動画で世界的人気を博しており、教育コンテンツの革新でも高く評価されている。彼らのフレッシュでダイナミックなスタイルの動画は、現代タンゴの象徴となっている。

Ayelén Pais (アジェレン・パイス):バンドネオン奏者
ラ・パンパ州出身、2007年ブエノスアイレスに上京。女性バンドネオン奏者の先駆者とされ、現代における代表的な女性バンドネオン奏者の一人。
タンゲリーア「エル・ケランディ」、ショウグループ「タンゴ・レジェンズ」などでソロイストとして活躍。演奏のみならず、バンドネオン習得に役立つ新たな形の映像マテリアルを作り教則ビデオの作成者としても知られる。さまざまなグループやオルケスタにこれまで参加してきた。
ラウル・ガレーロの指揮のもと、「セレクシオナード・フェデラル・デル・タンゴ」(タンゴ地方州出身者選抜)に参加、アメリータ・バルタールと共に「グローリアス・アルヘンティーナス」に参加、スサーナ・リナルディと共に「モローチャの中庭」に参加。2017年「ブエノスアイレスタンゴ・フェスティバル」のオープニングでオスバルド・ピーロ楽団に参加、2021年ファビアン・ベルテーロ楽団のソリストとして招かれ、国立タンゴ・アカデミーから提供されたアニバル・トロイロが所有していたバンドネオンを演奏した。
これまでブラジル、メキシコ、ヨーロッパでツアーを行った他、2013年にはマルベック・タンゴ・ハウスの演奏チームに参加するため1年間アメリカ合衆国に滞在した。
オルケスタ・ロマンティカ・ミロンゲーラやオルケスタ・ティピカ・ピチューコなど、現代のミロンガ演奏を主体とするさまざまなオルケスタにも参加している。
出演した映像作品に伝説的ダンサーのマリア・ニエベスとの共演もある。
そのユニークな個性は他ジャンルのアーティストにも好まれ、ラリ・エスポシト、ロス・アンヘレス・アスーレス、ナチャ・ゲバラ、オラシオ・ラバンデーラとも共演している。

Cristián Asato (クリスティアン・アサト):ピアニスト
1982年ブエノスアイレス生まれ、タンゴ新世代のピアニストの中で最も知られた存在の一人である。ショウ・グループ「タンゴ・レジェンズ」の音楽監督を務める他、元雄オスバルド・プグリエーセ楽団のビクトル・ラバジェン七重奏団にもピアニストとして参加している。
プロ音楽家として活動するほか、音楽教育の分野でデジタルを使ったマルチメディアの分野にも従事している。
ブエノスアイレス・コロン劇場、キルチネル文化センターのラ・バジェーナ・アスール、ラ・ウシーナ・デル・アルテといったアルゼンチンの重要なステージで演奏を行っている。ラテンアメリカ諸国、アジア、アフリカ、ヨーロッパへのツアーを実施、イタリア・ローマのエル・パルコ・デ・ラ・ムジカ、カイロのオペラ座、ギリシャ・アテネのクリスマス・シアターなどの場所で演奏した。フアン・カルロス・コーペス舞踊団のピアニストをつとめ、2011年にはネリー・オマールの生誕100年記念コンサートに参加した。
アリエル・アルディトの伴奏楽団と共にアルベルト・ポデスタの伴奏をしたこともある。
2016年から2020年までエミリオ・バルカルセ記念タンゴ学校オ―ケストラのピアノ講師を担当。2017年にはマスタークラス「音楽家のためのタンゴ」の教育スタッフとなった。
セッショニストとして多数の作品に参加、2018年にはソリストとして、アルフレド・ゴビのピアノ作品を復活させた「未発表のゴビ」を録音、評論家から高い評価を得た。
2017年、福嶌教輝アルゼンチン駐箚特命全権大使により、ラテンアメリカの日系人コミュニティにおける優れた芸術活動による功績をたたえ表彰された。


このワークショップはバンドネオン奏者 川波 幸恵さんの協力を得て企画しております。

川波 幸恵

福岡県宗像市出身。第1回チェ・バンドネオン世界大会優勝者。福岡女学院音楽科から東京音楽大学に進学。大学では専攻であるピアノを学び、学外ではバンドネオンを習得。劇作家・女優の渡辺えりと出会い、舞台「りぼん」に出演。以来、西城秀樹、沢田研二、笑福亭鶴瓶、宇梶剛士らと共演。「題名のない音楽会」などTV出演。2020年夏、地元福岡で「タンゴ三姉妹+」を結成。2021年夏、イタリアで開催された「アストル・ピアソラ国際音楽コンクール トラーニ2021」において、アンサンブルの部で優勝。海外のタンゴフェスティバルなどでも数多く演奏している。